【欧州総局】米英首脳会談や金融サミットのレセプションなどで外交デビューを飾ったオバマ米大統領夫妻は1日、ロンドンで慌ただしい日程をこなした。デジタル携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」をエリザベス英女王にプレゼントするなど社交面でも注目を集めた。
女王は同日、各国首脳をバッキンガム宮殿の歓迎会に招待したが、オバマ大統領夫妻とだけは歓迎会に先立って個別に面会した。女王が「(米国と)かなり時差がありますね」と声を掛けると、「いくつか会談がありましたが居眠りはしていません」と笑わせた。
大統領はこの場で、iPodを贈呈。そこには、ロンドンが舞台でオードリー・ヘプバーン主演の映画「マイ・フェア・レディ」など英国にまつわる映画のほか、07年に女王が米国を訪問した際の動画や写真、今年1月の大統領の就任式の様子などが収められていた。また、ミュージカル「王様と私」の作曲家リチャード・ロジャースのサイン入りの「歌の希少本」も一緒に贈られた。
ミシェル夫人は、黒のスカート、カーディガン、白のノースリーブに真珠のネックレスという姿で女王の前に登場。ブラウン英首相の夫人、サラさんとがん患者施設を訪問するなど日程をこなした。
一方、若干砕けた“オバマ流”が地元で話題となる場面も。ミシェル夫人は外交儀礼上触れるのが“タブー”の女王の背中に手を回して親愛の情を表現。英紙タイムズは、2人が互いに相手の背中に手を回す写真を1面に掲載し、「儀礼的には誰も触れるべきでない……。しかし、女王はミシェルといることが心地よさそうだった」との説明を載せた。
毎日新聞 2009年4月2日 19時16分(最終更新 4月2日 23時46分)