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トヨタ・プロナード

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トヨタ・プロナード
MCX20型
前期型(2000/4 - 2002/9)
後期型(2002/9 - 2004/3)
概要
別名 アバロン(2代目)
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
販売期間 2000年4月4日
2004年3月31日
デザイン CALTY
ボディ
乗車定員 5/6人
ボディタイプ 4ドア セダン
駆動方式 FF
プラットフォーム トヨタ・Kプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 1MZ-FEV型6気筒DOHC3,000cc
変速機 4速ATフロア/コラム
ストラット式
ストラット式
車両寸法
ホイールベース 2,720mm
全長 4,895mm
全幅 1,820mm
全高 1,460mm
車両重量 1,500-1,540kg
系譜
先代 初代トヨタ・アバロン
※日本市場では沖縄県のみ
後継 3代目トヨタ・アバロン
※ただし日本では未導入[1]
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プロナード(Pronard)は、トヨタ自動車が日本で販売していた前輪駆動(FF)の高級乗用車である。

トヨタ・アバロン(2代目モデル)の日本市場向けのバッジエンジニアリング商品である。

概要

米国ケンタッキー工場で生産された輸入車であり、2代目である本モデルはビスタ店で販売されていた。

北米市場向けの大型乗用車アバロンが2世代目モデルに移行(フルモデルチェンジ)するにあたり、日本市場独自の名称が与えられたために誕生した。

トヨタの車種ラインアップの中では、解説書にて「FF最高級セダン」という表現がなされている。

初代 MCX20型 (2000年 - 2004年)

2000年4月4日に販売を開始した。開発テーマは「上質のゆとり」であり、車両コンセプトは「Brand-new Luxury & Spacious Sedan[2](既存の国産ラージには無い商品性を持つ新時代の、高級且つスペーシャスなセダン)である。月販売目標は1,000台(当時)とされていた。また、ボディーカラーは「スーパーホワイトパールマイカ」「シルバーメタリック」「グリーンマイカ」の3色である。

大型の3.0L V61MZ-FE型エンジンにFF車の特性を生かした広い室内空間や、大きなトランクスペースが特徴である。

北米市場をメインに作られていた車種であったため、座席自体の大きさは、日本市場における一般的なセダン車よりもやや大きい設計になっている。また、全体的な車格はクラウンカムリよりも大きく(室内長などを含む)、3代目セルシオに近いサイズである。このことからもトヨタセダン型車種としては、製造・販売が終了した現在においてもなお、最大級の広さと大きさを誇る。

しかし、同クラスのクラウンという圧倒的な人気車種の存在や、当時の販売店であるビスタ店には既に、アリストクレスタなどの人気車種もあったため、明確なターゲットを打ち出せず結果的に不人気のまま、輸入販売は終了する。

この後の2005年12月には、同じFFの3ナンバーサルーンの火付け役のディアマンテが販売が終了し、翌年1月にはプロナードより車格が格下の3代目ウィンダムが販売終了になるなど、日本国内でのセダン車(特にFFラージクラスセダン[3])の人気の陰りによる販売低迷が、販売終了の最も大きな要因といえる。

このプロナード(北米名称のアバロンも共通)は、3ナンバーセダン型の乗用車としては非常に特徴的といえる、前席3人掛けコラムシフト式の乗車定員6名のベンチシート車[4]のグレード設定がある。このグレード名は「3.0 L」。

グレードはベーシックモデルとなる「3.0」、ディスチャージヘッドランプ、サンルーフ、本革シート、クルーズコントロール、スカイフックTEMSなどを装備した上級モデルにあたる「3.0 G」、そしてベンチシートの「3.0 L」の計3種類がある。

販売当時、先進装備でもあったDVDナビゲーションが全グレードに標準装備されていた。これはプロナードが北米からの輸入車であり、メーカーオプションを多種多様に設定できないためであったが、逆にこれはまだ純正カーナビゲーション自体が追加オプションによる設定が主流であった日本車市場において、当時の国産他車(トヨタ車以外も含む)と比べても同車がハイスペックな装備を持つ結果となった。

日本仕様前期型の生産は2000年2月~で「GH-MCX20」、2000年8月以降生産分は平成12年基準排出ガス25%低減レベルエンジン搭載車に変更となり「TA-MCX20」となる。

日本仕様は、2002年9月マイナーチェンジを実施した。フロントバンパー、フォグランプフロントグリルや後部テールデザインを変更し、ディスチャージヘッドランプや雨滴感知式ワイパー、木目調+本革巻きステアリングホイール、同フロアシフトレバーノブなどの標準装備化を施した。また、日本仕様モデルに限り、車名ロゴ入りのスカッフプレートなども標準装備された。しかし、マイナーチェンジ後は「3.0G」グレードでもサンルーフ(同社ではムーンルーフと表記)の設定が無くなった。

内装色にも若干の変更が加えられ、前期は淡い黄色に近い明るめのアイボリー色、後期はグレーに近い暗めのアイボリー色となっている(設定はフォーンに変更)。

ボディーカラーは前期の「グリーン」から「ダークブルーマイカ」(「3.0」のみの設定)へと変更された。後期のボディーカラーも3色。

また、前期の「3.0 L」は「3.0 G」グレードと同様の本皮シート表皮が標準装備となっていたが、後期の「3.0 L」は通常の「3.0」グレードと同様のファブリック表皮に変更されたため、結果的に前期の同型よりもダウングレードしているという珍しい特徴もある。

後期では、それまで全グレードで標準装備となっていたTV付きDVDナビゲーションを非装備の「3.0 Mパッケージ」という受注生産専用グレードが存在した。

2003年11月[5]を以って輸入と生産を終了。

2004年4月1日を以ってビスタ店ネッツ店へ統合されたのに伴い、その前日を以ってヴェロッサと共に販売が終了した。新車登録台数の累計は7620台[6]

日本仕様後期型の生産期間は2002年7月~2003年11月の1年5ヶ月間のみ。

なお、2代目である本モデルに関しては、日本国内においてアバロン(AVALON)の名では販売されていない。そのため日本国内で2代目のアバロン(AVALON)が存在する場合、北米仕様車の輸入もしくは日本仕様であるプロナード(PRONARD)のエンブレム類を北米仕様であるアバロン(AVALON)に交換したものとなる。

日本トヨタでは本モデルを最後に、アバロンの販売を終了しているが、北米トヨタでは2005年に3代目モデルへと移行(フルモデルチェンジ)し、引き続き同社のフラッグシップモデルとして製造・販売がされている。詳しくはアバロンの3代目の項を参照。

アバロンとの相違

ここでは主に北米仕様モデルの「アバロン」と日本仕様モデルの「プロナード」にのみ見られる主な違いを挙げておこう。

  • 車名プレートの違い
トランクパネル右側に北米仕様は「AVALON」。日本仕様は「PRONARD」。
  • グレードプレートの違い
北米仕様はトランクパネル右側「AVALON」に続けて「XL」「XLS」。日本仕様はトランクパネル左側に「3.0」「3.0G」「3.0G package」「3.0L」のいずれかが貼付される。
  • メーカープレートの有無
北米仕様はトランクパネル左側に「TOYOTA」プレート。日本仕様のその部分にはグレードプレートが貼付される。
  • 外装仕様の違い
北米仕様「XL」グレードにはフォグランプの設定が無いためボディ同色カバーが装着される。日本仕様はフォグランプ標準装備。
北米仕様には前期/後期ともにディスチャージヘッドランプの設定はなく全車ハロゲンヘッドランプとなる。日本仕様は前期の「3.0G」以外はハロゲンヘッドランプ仕様であったが、後期では全グレードがディスチャージヘッドランプに統一された。
北米仕様ではマッドガード(黒)がアクセサリー設定。日本仕様はカラードマッドガードがディーラー装着オプション。
  • 純正ホイールの違い
北米仕様には15インチ鉄ホイール+フルホイールカバーと、日本仕様とは別デザインの16インチ純正アルミホイールがある。
  • エアロパーツの有無
リアウイングスポイラーなどの純正エアロパーツの設定がある。日本仕様には存在しない。
  • 内装仕様の違い
北米仕様には「XL」「XLS」グレードにそれぞれファブリックシートの表皮がある。さらにグレード毎にオプションの本革表皮が用意され計4種類のシート表皮がある。「XL」グレードには木目調パネルの設定が無い。
日本仕様は「XLS」同等のファブリックシートと本革シートとなる。全グレードで木目調パネルが標準装備されている。
北米仕様「XL」はダイヤル式マニュアルエアコン仕様。「XLS」と日本仕様全グレードはデジタル表示オートエアコン標準装備。
北米仕様はアナログ針メータ、日本仕様はオプティトロンメータが標準装備となる。
北米仕様では「XLS」グレードのみに純正DVDナビゲーションがオプションの為ナビゲーションの無いモデルが存在する。日本仕様は後期「3.0 Mパッケージ」以外では全車標準装備されている。
北米仕様の後期モデルは前期モデル同様の「黒単色のスカッフプレート」と「本皮巻シフトノブ」が採用されている。

なお、上記の外にリアテールサイドマーカーやヘッドランプロービーム内のポジションランプが無くなりフロントのウインカーとポジションランプがW球で兼用になる点やフェンダーウインカーが無いこと、非格納式サイドミラーであること…などをはじめとする違いは、アバロンだけではなくどの車種にもありうる、日本モデルと米国モデルの根本的な仕様の違いによる共通の差異や変更点であるため、これらの点は本項では対象としない。

脚注

  1. ^ なお、日本市場ではプロナードの販売終了後は販売店の関係上、2代目アリスト(海外名:2代目レクサス・GS)が間接上の代替車種となった。
  2. ^ 新型車解説書より。
  3. ^ Eセグメントに相当。3代目日産・セフィーロ(後のティアナ)やホンダ・レジェンド三菱・ディアマンテがこれに該当する。
  4. ^ クラウンセダンにも初代~1995年まで6人乗り用の設定車があった。以後はタクシー専用のクラウンコンフォートのみとなる。競合車種のセドリック/グロリアにも同様の設定車があった。
  5. ^ プロナード”. トヨタ自動車株式会社 (2020年1月14日). 2020年1月14日閲覧。
  6. ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第79号17ページより。

車名の由来

  • 「PRONARD」の車名はフランス語「Proner」(称賛)からの造語である。

販売店