タイラー・ヒギンス
カス
プロになれなかった
プロ入り前
ミシガン州のマウント・プレザント高等学校在学中、2009年のMLBドラフトにおいてテキサス・レンジャーズから47巡目(全体1414位)で指名を受けるが、この時はプロ入りを選択せず、同州のランシング・コミュニティ・カレッジに進学した。
プロ入りとマイナー時代
2011年のMLBドラフト23巡目(全体703位)でフロリダ・マーリンズから指名を受けてプロに進んだ[1][2]。同年は傘下のルーキー級ガルフ・コーストリーグ・マーリンズからプロキャリアをスタートさせた。2017年までの在籍期間に徐々にクラスを上げ、2Aジャクソンビル・ジャンボシュリンプまで昇格した[3]。
2018年はシアトル・マリナーズ傘下へ移籍し、3Aタコマ・レイニアーズで28試合に登板し1勝1敗3セーブ、防御率2.83を記録した[3]。
2019年はサンディエゴ・パドレス傘下でA+から3Aまで3つのカテゴリを渡り歩き、3Aエル・パソ・チワワズでは救援投手として33試合に登板し、4勝1敗4セーブ、防御率5.52の成績を残した[1][4]。
オリックス時代
2019年12月23日にNPBのオリックス・バファローズが、同じく3Aエルパソ所属のアデルリン・ロドリゲスと同時にヒギンスの獲得を発表した[5]。1年契約で年俸は推定7000万円、背番号は52となった[4]。日本球界についての情報は、パドレスOBでもあり、中日ドラゴンズからパドレス3Aへの派遣コーチを務める大塚晶文から詳しく聞いていたといい、入団会見では「ここにいるのは大塚さんのおかげ」と感謝の弁を述べた[6]。
2020年6月19日の開幕一軍メンバーからは外れたものの[7]、6月26日の一軍戦対千葉ロッテマリーンズ戦(ZOZOマリンスタジアム)中に、先発投手の山岡泰輔が左内腹斜筋損傷を起こしわずか3球で緊急降板するアクシデントに伴い、翌27日に山岡に代わり急遽一軍出場選手登録された[8]。山岡の負傷発生時、ヒギンスは27日の舞洲バファローズスタジアムでの二軍戦に登板する予定で大阪におり、電話で一軍の滞在する千葉への招集連絡を受けたのは26日の22時45分であった[9]。27日、単身で千葉に向かい、東海道新幹線と東京駅からタクシーを利用して、14時開始のデーゲームに間に合わせたという[9]。同日のロッテ戦において、5番手投手としてNPB初登板を果たした。9回裏、0対0のスコアで無死一・三塁という緊迫した局面からの登板であったが、レオネス・マーティンをベンチからの申告敬遠により満塁策を採った後、中村奨吾を二飛、鳥谷敬を見逃し三振、角中勝也を空振り三振に抑えてロッテのサヨナラ得点を許さず、NPB初ホールドを記録した[9]。7月11日の対北海道日本ハムファイターズ戦(京セラドーム大阪)で1対1の8回表に登板して1イニングを無失点に抑えると、直後の8回裏にチームが4点を勝ち越しそのまま逃げ切り勝ちを収めたことで、NPB初勝利を記録した[10]。その後はセットアッパーに定着し、41試合で3勝3敗19ホールド、防御率2.40の成績を残した[11]。
選手としての特徴・人物
オーバースローの投球フォームから、最速97マイル(約156km/h)[12]のストレートを投じる。変化球は、スラーブとも評されるカーブ[13][14]と、チェンジアップ[15]を主に用いる。
愛称は「ヒギー(Higgy)」[16]。
私生活では、オリックス入団が発表された直後の2019年のクリスマスに婚約し、来日後の3月に結婚していたことを、2020年7月11日のNPB初勝利に際して公表した[10]。
詳細情報
年度別投手成績
年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2020 | オリックス | 41 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0 | 19 | .500 | 175 | 41.1 | 37 | 2 | 20 | 3 | 0 | 45 | 1 | 0 | 11 | 11 | 2.40 | 1.38 |
NPB:1年 | 41 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0 | 19 | .500 | 175 | 41.1 | 37 | 2 | 20 | 3 | 0 | 45 | 1 | 0 | 11 | 11 | 2.40 | 1.38 |
- 2020年度シーズン終了時
- 2020年度シーズンは新型コロナウイルスの影響で120試合制
年度別守備成績
年 度 |
球 団 |
投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2020 | オリックス | 41 | 2 | 3 | 0 | 1 | 1.000 |
通算 | 41 | 2 | 3 | 0 | 1 | 1.000 |
- 2020年度シーズン終了時
記録
NPB
- 初登板・初ホールド:2020年6月27日、対千葉ロッテマリーンズ5回戦(ZOZOマリンスタジアム)、9回裏無死一・三塁から5番手で救援登板、1回無失点
- 初奪三振:同上、9回裏に鳥谷敬から見逃し三振
- 初勝利:2020年7月11日、対北海道日本ハムファイターズ5回戦(京セラドーム大阪)、8回表に4番手で救援登板、1回無失点
- 初セーブ:2021年4月13日、対福岡ソフトバンクホークス4回戦(福岡PayPayドーム)、9回裏二死一・二塁から5番手で救援登板・完了、1/3回無失点
登場曲
背番号
- 52 (2020年 - )
脚注
- ^ a b 引用エラー: 無効な
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タグです。「BR
」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません - ^ 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。「MLB
」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません - ^ a b “Tyler Higgins - Stats - Pitching”. FANGRAPHS. 2020年7月11日閲覧。
- ^ a b “オリ助っ人6人に ヒギンス&ロドリゲスと契約 ともに1年契約、推定年俸7000万円”. スポーツニッポン (2019年12月23日). 2020年7月6日閲覧。
- ^ “新外国人選手獲得のお知らせ”. オリックス・バファローズ (2019年12月23日). 2020年7月6日閲覧。
- ^ “オリックス・ヒギンスら入団会見 大塚晶文氏に感謝”. 日刊スポーツ (2020年1月28日). 2020年7月6日閲覧。
- ^ “オリックス・増井、モヤ、ヒギンスら開幕メンバーから外れる”. デイリースポーツ (2020年6月16日). 2020年7月6日閲覧。
- ^ “【オリックス】山岡泰輔が左内腹斜筋の筋損傷で登録抹消…26日ロッテ戦で緊急降板”. スポーツ報知 (2020年6月27日). 2020年7月6日閲覧。
- ^ a b c “オリックス・ヒギンスが来日初登板で無死満塁斬り 緊急昇格で移動「東京駅は大きかった」”. デイリースポーツ (2020年6月27日). 2020年7月6日閲覧。
- ^ a b “オリックス・ヒギンス初勝利「心の支え」夫人に感謝”. 日刊スポーツ (2020年7月11日). 2020年7月11日閲覧。
- ^ “オリ・ヒギンスが帰国、ファンと再会を約束「来年お会いできることを楽しみに」”. Full-Count (2020年11月7日). 2021年11月21日閲覧。
- ^ “オリ新助っ人ヒギンス、気温7度も半袖で気合の初ブルペン 「まだまだ球速は出る」”. Full-Count (2020年2月4日). 2020年7月11日閲覧。
- ^ “【オリックス】救援新助っ人にマイナー264戦登板の右腕ヒギンスを獲得”. スポーツ報知 (2019年12月23日). 2020年7月11日閲覧。
- ^ “【オリックス】新外国人ヒギンスがカーブ本邦初披露「すごく感覚が良かった」”. スポーツ報知 (2019年2月13日). 2020年7月11日閲覧。
- ^ “オリ新助っ人ヒギンス“連投試験”合格で8回の男に 西村監督「大丈夫じゃないかな」”. Full-Count (2020年3月8日). 2020年7月11日閲覧。
- ^ “【オリックス】新外国人ロドリゲス「A・ロッドと呼ばれるとうれしい」ヒギンスと入団会見”. スポーツ報知 (2020年1月28日). 2021年11月17日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- 個人年度別成績 T.ヒギンス - NPB.jp 日本野球機構