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「タイショウオオキノコムシ」の版間の差分

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== 形態 ==
== 形態 ==
[[体長]]11mm~14mm程度。[[黒色]]で上翅帯紋は深紅色で完全に無毛であり点刻は他の種類よりも密である。複眼は小さく突出度は弱い前側の眼縁は強く角ばって突起し両眼間の距離は広い。[[触角]]第3節は前後の節よりわずかに長い。[[幼虫]]は、[[頭部]]中央に黒い紋が1つあることと体の左右にある突起が長いことで他の種類と見分けることができる。 
[[体長]]11mm~14mm程度。[[黒色]]で[[上翅]][[帯紋]][[深紅色]][[完全]][[無毛]]であり[[点刻]]は他の[[種類]]よりも[[]]である。[[複眼]]は小さく[[突出度]][[弱い]][[前側]][[眼縁]]は強く角ばって[[突起]][[両眼]]の間の[[距離]]は広い。[[触角]][[第3節]][[前後]]の節よりわずかに長い。[[幼虫]]は、[[頭部]]中央に黒い紋が1つあることと体の左右にある突起が長いことで他の種類と見分けることができる。なお[[本種]]は[[標本]]にすると[[色]]が[[変色]]する[[場合]]があるので[[注意]]が[[必要]]である。   
   
== 分布 ==
== 分布 ==
[[本州]]・[[四国]]・[[九州]]・[[北海道]]・[[屋久島]]・[[対馬]]・[[朝鮮半島]]・[[済州島]]・[[中国]]・[[シベリア]]に[[分布]]し主に[[丘陵地]]に生息する。近縁の[[ヒメオビオオキノコムシ]]や[[ミヤマオビオオキノコムシ]]に比べて[[稀]]で[[局所的]]なため、以前は[[対馬]]や奈良県[[春日山]]以外ではあまり[[報告]]がなかった。しかし[[近年]][[他県]]でも記録が相次いだ。                                      
[[本州]]・[[四国]]・[[九州]]・[[北海道]]・[[屋久島]]・[[対馬]]・[[朝鮮半島]]・[[済州島]]・[[中国]]・[[シベリア]]に[[分布]]し主に[[丘陵地]]に生息する。近縁の[[ヒメオビオオキノコムシ]]や[[ミヤマオビオオキノコムシ]]に比べて[[稀]]で[[局所的]]なため、以前は[[対馬]]や奈良県[[春日山]]以外ではあまり[[報告]]がなかった。しかし[[近年]][[他県]]でも記録が相次いだ。                                      


== 生態 ==
== 生態 ==
[[成虫]]は6月から9月に[[活動]]し[[サルノコシカケ科]]の[[キノコ]]の傘を食する。また[[樹皮]]の下に隠れている事が多い。[[樹液]]にこないとされているが[[灯火]]には集まる。成虫は、キノコの上で交尾産卵する。卵は約10日間で孵化する。[[幼虫]]はキノコを食べ成熟すると樹皮の下や土中に潜り蛹化する。この間の期間は短い。   
[[成虫]]は6月から9月に[[活動]]し[[サルノコシカケ科]]の[[キノコ]]の傘を食する。また[[樹皮]]の下に隠れている事が多い。[[樹液]]にこないとされているが[[灯火]]には集まる。[[成虫]]は、[[キノコ]]の上で[[交尾]][[産卵]]する。[[]]は約10日間で[[孵化]]する。[[幼虫]]はキノコを食べ[[成熟]]すると[[樹皮]]の下や[[土中]]に潜り[[蛹化]]する。この間の[[期間]]は短い。   
== 飼育 ==                       

[[本種]]は、[[野外]]で[[幼虫]]とともに[[サルノコシカケ科]]のキノコをとってきて腐らせないように[[管理]]すれば[[飼育]]することができる。[[累代飼育]]については、[[不明]]である。
== 人間とのかかわり ==
一般にはあまり見かけることは少ないが[[愛好家]]や[[研究者]]の中では[[稀]]で[[局所的]]なためやや人気がある。
==参考文献==
==参考文献==
*『新訂原色昆虫大図鑑Ⅱ』北隆館、2007年
*『新訂原色昆虫大図鑑Ⅱ』北隆館、2007年

2012年4月25日 (水) 07:21時点における版

タイショウオオキノコムシ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目 Coleoptera
亜目 : 多食亜目 Polyphaga
上科 : ヒラタムシ上科 Cucujoidea
: オオキノコムシ科 Erotylidae
: Episcapha
: タイショウオオキノコムシ E. morawitzi
学名
Episcapha morawitzi

タイショウオオキノコムシ(学名Episcapha morawitzi)は甲虫目(鞘翅目)オオキノコムシ科分類される甲虫。                             

形態

体長11mm~14mm程度。黒色上翅帯紋深紅色完全無毛であり点刻は他の種類よりもである。複眼は小さく突出度弱い前側眼縁は強く角ばって突起両眼の間の距離は広い。触角第3節前後の節よりわずかに長い。幼虫は、頭部中央に黒い紋が1つあることと体の左右にある突起が長いことで他の種類と見分けることができる。なお本種標本にすると変色する場合があるので注意必要である。   

分布

本州四国九州北海道屋久島対馬朝鮮半島済州島中国シベリア分布し主に丘陵地に生息する。近縁のヒメオビオオキノコムシミヤマオビオオキノコムシに比べて局所的なため、以前は対馬や奈良県春日山以外ではあまり報告がなかった。しかし近年他県でも記録が相次いだ。                                      

生態

成虫は6月から9月に活動サルノコシカケ科キノコの傘を食する。また樹皮の下に隠れている事が多い。樹液にこないとされているが灯火には集まる。成虫は、キノコの上で交尾産卵する。は約10日間で孵化する。幼虫はキノコを食べ成熟すると樹皮の下や土中に潜り蛹化する。この間の期間は短い。    == 飼育 ==                        本種は、野外幼虫とともにサルノコシカケ科のキノコをとってきて腐らせないように管理すれば飼育することができる。累代飼育については、不明である。

人間とのかかわり

一般にはあまり見かけることは少ないが愛好家研究者の中では局所的なためやや人気がある。

参考文献

  • 『新訂原色昆虫大図鑑Ⅱ』北隆館、2007年
  • 鈴木知之『朽ち木にあつまる虫ハンドブック』文一総合出版、2009年