<はじめに>当院(安城更生病院)は2002年5月に新築移転に伴い、救命救急センターを開設した。愛知県西三河地区の救命救急センターとして一次から三次までの救急患者受入を行い、2004年度では年間総受診者数42128名(うち救急車来院6699名)となっている。徒歩来院・救急車来院とも毎年増加を続け、特に年末年始・
ゴールデンウィーク
においては患者集中により普段の約1.5倍ほどの受診者数となる。今回我々は、コールデンウィーク中に関して調査することにより、混雑時における徒歩来院患者の動向把握と分析・検討を試みた。
<目的>救命救急センターを徒歩受診する患者の診療所要時間を分析することにより、一次から三次救急医療を担う当院救命救急センターの実態を把握するとともに改善の余地のある問題点を検討する。
<方法>2005年5月3日8:00から5月5日8:00に当院救命救急センターを受診した513名のうち、救急車来院53名を除く徒歩来院460名を対象とした。そのうち、入院となった24名を除く診察後帰宅許可を得た患者436名に関して、受付から会計までの時間経過の分析・検討を行った。
<結果>受付から診察開始までは348名に関し記録でき、平均22分(±21分)、最大値104分、最小値0分であった。受付から会計までは360名に関し記録でき、平均70分(±54分)、最大値357分、最小値10分であった。受付から会計まで120分以上を要した44名のうち、受付から診察開始までが60分以上を要していたのは3名のみであった。
<考察>受付から診察開始までの時間は平均22分と、混雑時としては許容範囲と考えられた。また受付時のトリアージにより緊急を要すると判断された場合(喘息発作、胸痛等)は迅速な対応ができていた。受付から会計まで時間を要する主な要素を検討した結果、受診待ち時間ではなく治療時間による要素が大きかった。今回の結果を生かし、今後の改善の検討をしていきたい。
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