一時期話題となったヒアリ、その現状は？「日本の在来アリが撃退のカギ」

登録者40万人を超える生き物解説系YouTubeチャンネル「へんないきものチャンネル」が「ヒアリはどこに消えたのか？」と題し、かつて日本国内でも話題になった強力な毒針を持つヒアリについて語った。ヒアリは南米大陸原産であり、アメリカ、中国、オーストラリアなどの国々に侵入しているアリの一種。日本では2017年7月に初めて、6都府県で死んだ個体が合計24匹発見され、神戸港や横浜港にやってきた貨物船で運ばれた海上コンテナ経由で侵入したと見られている。一時期はテレビなどで大きく取り上げられたこともあり、多くの人に周知されたものの、ある時を境にその名前を聞く機会は少なくなっていった。動画の中で特に注目されたのは、日本の在来アリがヒアリの侵入を防いでいるのではという見解だ。奈良女子大の研究結果を引用し、「在来アリのフェロモンが侵略を防ぐ効果がある」と語る一方で、「これは研究室での確認であり、現実の影響はまだ確定していない」と注意点も強調した。「日本でも2017年以降、各地で発見報告が相次いだが、最近ではネット上での確認例はほぼない」と述べつつも、依然としてヒアリが定着する危険性は存在すると警鐘を鳴らした。実際、2023年8月には神戸市中央区のポートアイランドのコンテナヤードから5000匹、同年10月末には広島の福山港に入った1つのコンテナから7万匹以上のヒアリが見つかっており、港付近で見つかったヒアリはすぐに駆除する水際対策によって定着が防がれている。発信者は「ヒアリが要緊急対処特定外来生物に指定されたのは2023年4月のこと」として、日本国内におけるヒアリの現状と脅威について解説した。動画の最後では「ニュースで聞かなくなった＝消滅したのではない、常に情報をキャッチする姿勢が大事」として、視聴者に注意を促して締めくくった。