Samba
Samba (サンバ) は、マイクロソフトのWindowsネットワークを実装したフリーソフトウェア。 Linux、Solaris、BSD、macOSなどのUnix系OS を用いて、Windows のファイルサーバやプリントサービス、ドメインコントローラ機能、ドメイン参加機能を提供する。
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開発元 | The Samba Team |
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初版 | 1992年 |
最新版 |
4.8.0
/ 2018年3月13日 |
最新評価版 |
4.8.0rc4
/ 2018年3月1日 |
リポジトリ | |
対応OS | クロスプラットホーム |
種別 | リモートアクセス |
ライセンス | GPL v3 |
公式サイト | http://www.samba.org/ |
1992年、アンドリュー・トリジェルによって最初のバージョンが開発され、後にGPL v2にて公開された。 3.2系からはGPL v3へ移行した。
特長
Sambaは12のサービスと12の通信プロトコルの実装で、CIFS、NetBIOS over TCP/IP (NetBT)、SMB/CIFS、DCE/RPCのほか、MSRPC、NetBIOSネームサーバ (NBNS) として知られるWINS サーバ、NT ドメインログオンを含めた NT ドメインプロトコルスイート、セキュアアカウントマネージャ (SAM) データベース、ローカルセキュリティ認証 (LSA) サービス、NT プリントサービス (SPOOLSS)、そしてバージョン3では(ケルベロス認証と LDAP に対応した) Active Directoryへのドメイン参加機能が含まれている(AD参加機能によってUNIX/Linux上でのユーザ管理が不要になる)。
大雑把には、UNIX機をクライアントあるいは共有ファイルサーバとしてWindowsネットワークへ参加させる機能の他、Windows NT 4.0サーバの機能と、バージョン3では一部Windows 2000 / 2003サーバの機能を持つ(例えば、VSS:ボリュームシャドウコピー機能など)。本家のWindows Serverと異なり、本体価格やサーバに接続するクライアント分のライセンス[1]コストなどが一切不要であることや、アクセス権の指定など一部機能は本家を上回る部分もあるため、官公庁、大学、大企業を中心にSambaを導入する例も増えている。また、Mac OS X v10.6.8まではSambaの機能によって、Windowsネットワーク環境でのファイル共有やドメイン参加を実現していた[2]が、Mac OS X Lionからは取り去られて独自実装のsmbdに置き換えられている[3]。
名前の由来
Sambaという名前は、Windowsで使用されているネットワークファイルシステム「SMB (Server Message Block)」に、2 つの母音を入れて作られている。Sambaはもともと「smbserver」と呼ばれていたが、SMBserver の商標をもつSyntax[4]から登録商標であるとの通告があったため、名前が変更された。
主な機能
ファイルサーバ
共有フォルダと呼ばれるサーバ側の空間に、ファイルを格納する機能。NAS としての機能を果たす。
アクセス権を設定できるため、特定のユーザに同じファイルを提供するといった用途が実現できる。 ACLをサポートする環境なら、ユーザやグループ毎に細かくアクセス権を指定することも可能。 Windowsサーバと比べて、「$」で終わる共有名でなくても隠し共有にできる利点がある。(隠し共有…共有名の検索やリストアップを行っても画面に現れないが、正しい名前を指定すればアクセスできる共有フォルダ)
プリントサーバ
Windowsクライアント向けのプリントサーバ機能。
Windowsドメインコントローラ
Windows NT 4.0サーバで提供される機能で、NT ドメインと呼ばれるネットワーク領域内で、ユーザやクライアントコンピュータの管理を行う機能。Samba 2.2から提供された。
ユーザアカウントやコンピュータアカウント、アクセス権などの情報を中央集権的に管理し、ユーザ認証やシングルサインオンなどのサービスを提供する。
- プライマリドメインコントローラ (PDC)
- ユーザアカウントやコンピュータアカウントなどの、データの原本を持つコンピュータ。
- バックアップドメインコントローラ (BDC)
- PDCのデータのコピーを持つコンピュータ。
- ドメインメンバ
- PDC の認証を受けたコンピュータや、そのコンピュータを利用するユーザ。
ドメインメンバ(利用者側)からは、PDCとBDCは同じ機能を提供しているように見える。 BDCはバックアップの機能を提供しているため、ドメイン内に存在しなくても構わない。同じドメイン内にPDCとBDCが両方存在している場合、ドメインメンバは原則としてBDCにサービスの提供を依頼する。
Samba はPDC / BDCの機能を提供することができ、NT ドメイン内にメンバとして参加することもできる。ただし、WindowsサーバとSambaではアカウント情報の同期の取り方が異なるため、同じドメイン内でWindowsサーバのPDCとSambaのBDCを運用すること、或いはその逆はできない。(なおバージョン3からユーザやグループなどの属性を保持したまま、NT 4.0ドメインからSambaドメインへの移行がサポートされた。)
Active Directory ドメインメンバ
Windows 2000サーバ以降から提供されるActive Directoryドメインへのドメインメンバとしての参加機能。Samba 3から提供された。
Active Directoryは前述のNT ドメインに代わるもので、既存のネットワーク技術を応用して構成されている。ユーザアカウントなどの管理情報をLDAPディレクトリサービスに格納し、認証機構にケルベロス、名前解決にDNS、管理情報の配布やコピーにTCP/IPのみを使用する。
Active Directory ドメインコントローラー
2012年12月にリリースされたSamba 4よりActive Directoryドメインのドメインコントローラー機能がサポートされている。
smbclient
UNIX側からWindowsやSambaの共有フォルダに接続するためのクライアントソフトウェア。
標準的なコマンドラインプログラムFTPのような操作で、共有フォルダに接続し、ファイルを操作することができる。
libnss_wins
Name Service SwitchへWINSサーバーと137/udpのブロードキャストを使ったホスト名解決を行うライブラリの提供。
バージョン履歴
Samba 3.0までの歩みは「Sambaの10年」を参照。
Date | Version | Description |
---|---|---|
2003年9月23日 | 3.0.0 | メジャーアップグレード。Samba 3.0系の最後のリリースはSamba 3.0.36。 |
2008年7月1日 | 3.2.0 | GPL2からGPL3にライセンス変更。ファイルサービスの従来の最大1,024バイトというパス名、および最大256バイトのファイル名という制約がなくなり、ホストOSで設定した値までの文字列が扱えるようになった。[5] |
2009年1月27日 | 3.3 | クラスタサポートや管理ツールが強化。 |
2009年7月3日 | 3.4 | Samba 3とSamba 4ソースコードの両方を含む最初のリリース。デフォルトではSamba 4のビルドは無効。[6] |
2010年3月1日 | 3.5 | SMB2の実験的サポートを含む最初のリリース。[7] |
2011年8月9日 | 3.6 | SMB2を完全にサポートする最初のブランチ。[8] |
2012年12月11日 | 4 | SambaをActive Directoryドメインコントローラにして、Windows Active Directoryドメインに完全に参加できる。[9] |
2013年10月10日 | 4.1 | SMB3のサポート。 |
2015年3月4日 | 4.2 | Btrfsベースのファイル圧縮、スナップショット、 winbind統合。[10] |
2015年9月8日 | 4.3 | 新しいロギング機能、SMB 3.1.1サポート。[11] |
2016年3月22日 | 4.4 | 非同期フラッシュリクエスト。[12] |
2016年9月7日 | 4.5 | NTLM v1はデフォルトで無効、バーチャルリストビュー(VLV)、さまざまなパフォーマンス改善。[13] |
2017年3月7日 | 4.6 | マルチプロセスNetlogonのサポート。[14] |
2017年9月21日 | 4.7 | Samba ADとMIT Kerberos[15] |
2018年8月13日 | 4.8 | [16] |
脚注
- ^ Client Access Licenseのことである
- ^ OS X 10.5における設定(アップル)
- ^ Sambaを取り去ったOS X Lion、その影響は……
- ^ TotalNET Advanced Server という製品などを販売している。
- ^ “[ANNOUNCE Samba 3.2.0 Available for Download]”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ “Samba - Release Notes Archive”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ “Samba - Release Notes Archive”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ “Samba - Release Notes Archive”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ “Samba - opening windows to a wider world”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
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