カワサキハロウィン
カワサキ ハロウィン(KAWASAKI Halloween)は、1997年(平成9年)から2020年(令和2年)まで、神奈川県川崎市川崎区の川崎駅周辺で開催されていた日本最大規模のハロウィンイベント。10月最終週の日曜日には川崎駅前で仮装パレードが開催されていた。企画制作はチッタ エンタテイメント。
カワサキ ハロウィン KAWASAKI Halloween | |
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2011年の仮装パレード参加者 | |
イベントの種類 | 一般イベント |
通称・略称 | カワハロ |
開催時期 | 毎年10月 |
初回開催 | 1997年 |
最終開催 | 2020年 |
会場 | 川崎駅周辺 |
主催 | カワサキ ハロウィン プロジェクト |
企画制作 | チッタ エンタテイメント |
最寄駅 |
川崎駅 京急川崎駅 |
公式サイト |
概要
編集第1回(1997年)は川崎駅前のシネマコンプレックス「チネチッタ」の開業10周年記念イベントとして開催された。運営会社チッタ エンタテイメントは大作映画の少ない秋期興行中の行事としてハロウィンに着目[1]。ドイツで人気のテクノパレードをモチーフにして[2]、ホラー映画とレイブを組み合わせ、DJがトラックに乗り先導する仮装パレードを企画した[1]。刺激的な内容には「東京横浜の若者を川崎に呼び寄せたい」「川崎のマイナスイメージを払拭して元気にしたい」という地域活性化の思いが込められていた[1][3]。
初開催時のパレード参加者は約150人、沿道の観客は約500人。参加者の半分は社員や劇団員などの「さくら」で[2]、メイン会場のラ チッタデッラ近隣の商店街を歩く程度のイベントだった。しかし、マスコミ効果もあってパレード参加者数は年々増加し、手の込んだ仮装のクオリティーを楽しみにする見物客も集まるようになった。パレードコースは川崎駅東口前をスタート・ゴール地点にして駅前商店街一帯を周回するルートに拡大。参加企業もアトレ川崎や川崎アゼリアなどの東口だけでなく、駅西口のラゾーナ川崎プラザやミューザ川崎もキャンペーンに加わった。最盛期の2010年代にはパレード参加者約3,000人、(川崎市を含む)主催25団体、沿道の観覧者約12万人、期間中の経済効果は約10億円(2019年[4])という街を挙げての一大イベントに成長した。日本でのハロウィン・パレードブームの火付け役にもなったとされ[5][6]、渋谷・六本木とともに日本三大ハロウィンイベントともいわれる[1]。
2020年(令和2年)はコロナ禍により実イベントを中止し、Twitterなど各種SNSに仮装動画を投稿してもらうオンライン形式で開催した[7]。
2021年(令和3年)8月27日、チッタ エンタテイメントはカワサキ ハロウィンの終了を発表し、24年の歴史に幕を閉じた[8]。終了の理由として「イベントの盛り上がりがピークを過ぎたこと」「ハロウィンの楽しみ方が多様化したこと」「過熱したハロウィンブームへのネガティブな反応」などを挙げている[9]。運営側はコロナ感染拡大前の2020年2月に止め時と判断しており、本来はその年のゴールデンウィーク明けに発表して、10月にフィナーレを飾るはずであった[8]。
2022年(令和4年)11月、新たな地域振興イベントとして、夜の繁華街や食文化の魅力を発信する「川崎夜市(よいち)」が初開催された[10]。
おもな行事
編集主にハロウィンパレード(全長約1.7kmのコース・駅前京急線高架下通り~市役所通り~平和通り~新川通り)やキッズパレード、仮装コンテスト、クラブパーティー、映画祭などが期間中に開催される。
歴史
編集- 1997年 第1回目のハロウィンパレードを開催。当時はハロウィンというイベント自体があまり認知されていなかった時代で、「仮装」も行政、所轄警察署になかなか理解されず、パレードをするにあたって必要な道路使用許可の取得には多くの時間と労力が必要であった[5]。開催されたパレードの参加者は約150人、観客は500人だったが、当時の人気番組「トゥナイト2」(テレビ朝日系)で放送されたこともあって話題となった[5][11]。
- 2015年 映画「スターウォーズ」とのコラボレーション。
- 2016年 「ハロウィン・パレード」の先導役を務めたのは映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」。
- 2017年 川崎市が進める、年齢、障がい、人種、LGBTを超えて、やさしい社会環境づくりを進める取り組み「かわさきパラムーブメント」への賛同と、市民への理解を促すための取り組みとして、ハロウィン・パレードに『プライド・パレード』を実施[12]。
- 2018年 新川通りの6車線を完全封鎖し、全長約1.7kmの従来のコースを仮装パレード。参加者約2,500人[13]。映画『カメラを止めるな!』とのコラボレーションも企画も実施した[13]。
- 2019年 ダンスパフォーマンス集団「東京ゲゲゲイ」をゲストに迎えてパレードを開催した。参加者は1,850人、約12万人の観衆が集まった[14]。
- 2020年 国内外から仮装動画を募集し、SNS(交流サイト)に投稿してもらい、仮装姿を発信するオンライン開催となる[15]。
- 2021年 同年の開催を行わず、イベントの終了を発表。24年の歴史に幕を下ろす[16][17]。
脚注
編集- ^ a b c d “警察の姿勢変え…「川崎ハロウィン」12万人規模に成長した理由”. 女性自身 (2016年10月29日). 2024年7月19日閲覧。
- ^ a b “若者文化を発信 カワサキハロウィン20年”. カナロコ (2016年10月28日). 2024年7月19日閲覧。
- ^ “22年目“川崎ハロウィン”が、「不良のたまり場」イメージから脱却できたワケ”. ORICON NEWS (2018年11月8日). 2024年7月19日閲覧。
- ^ “川崎で日本最大級のハロウィンパレード開催、沿道に約12万人動員”. ウォーカープラス. (2019年10月28日) 2024年7月19日閲覧。
- ^ a b c 木曽崇『「夜遊び」の経済学 : 世界が注目する「ナイトタイムエコノミー」』光文社〈光文社新書〉、2017年6月、27-33頁。ISBN 978-4-334-03992-9。
- ^ “ハロウィンの歴史「始まりは表参道」「火付け役は川崎」”. 女性自身 (2015年10月31日). 2020年9月19日閲覧。
- ^ “<新型コロナ>カワサキハロウィン 今年はオンライン開催 来月仮装動画を募集”. 東京新聞. (2020年9月3日) 2024年7月19日閲覧。
- ^ a b “「カワサキ ハロウィン」終了のお知らせ”. カワサキ ハロウィン プロジェクト (2021年8月27日). 2024年7月19日閲覧。
- ^ “カワサキハロウィン 24年の歴史に幕 「これまでの参加者に感謝」”. タウンニュース. (2021年9月3日) 2024年7月19日閲覧。
- ^ "注目の「ナイトタイムエコノミー」推進、川崎の夜の魅力を"食"をテーマに全国に発信 第1回 『川崎夜市』 開催決定!" (PDF) (Press release). チッタ エンタテイメント. 30 August 2022. 2024年7月19日閲覧。
- ^ “「灰色の工業地帯」川崎はなぜ日本有数のハロウィンスポットになったのか|ウォーカープラス”. ウォーカープラス(Walkerplus). 2019年9月22日閲覧。
- ^ “日本最大級のハロウィンイベント「カワサキハロウィン2017」巨大パレードで初の試み 映画祭やミニオンズランとのコラボも”. 女子旅プレス. 2019年9月22日閲覧。
- ^ a b “ハロウィンイベント「カワサキ ハロウィン 2018」川崎駅エリアで、大規模パレードや仮装コンテスト”. www.fashion-press.net. 2019年9月22日閲覧。
- ^ “今年はどんな仮装が多い?「カワサキ ハロウィン2019」をレポート! - はまれぽ.com 神奈川県の地域情報サイト”. はまれぽ.com. 2019年10月30日閲覧。
- ^ “カワサキハロウィン、今年はオンラインで開催”. 日本経済新聞 電子版. 2020年9月26日閲覧。
- ^ “日本最大規模「カワサキ ハロウィン」が24年の歴史に幕”. スポーツ報知 (2021年8月27日). 2021年8月27日閲覧。
- ^ “川崎市「カワサキハロウィン」が終了 各地に同種イベント、地元経済効果減”. 日刊スポーツ (2021年8月27日). 2021年8月27日閲覧。
外部リンク
編集- 公式ウェブサイト
- カワサキハロウィン (@k_halloween) - X(旧Twitter)