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2021年6月30日 (水) 13:18時点における版

紫水晶
ステップカットされた紫水晶
主なアメシスト産出地
スコットランド国立博物館で展示されているアメジスト・ジオード
ローマ皇帝カラカラを彫刻した宝石彫刻英語版。古代エジプトの時代から彫刻の素材とされている。

アメシストアメジストamethyst)は、紫色水晶である。紫水晶(むらさきすいしょう)[1]とも呼ばれる。amethyst の名は、ギリシア語amethustos(酔わせない)に由来する。酔いを防ぐ効果があると信じられていた[2]

産出地

ブラジルリオ・グランデ・ド・スール州は世界最大の紫水晶の産地。スリランカマダガスカル中央アフリカウルグアイザンビアでは質の良いものが産出する。

日本では、宮城県白石市雨塚山鳥取県で産出される。

産出状態
  • 晶洞(ジオード) - 溶岩などの泡が冷えて固まった中に熱水が侵入し水分が蒸発してミネラル分が結晶化しアメシストが形成される。
種類
  • 深い色合いのものはディープシベリアン(Deep Siberian)、淡い色合いをローズ・ド・フランス(Rose de France)という。
  • アメシストを熱などで色が抜けて黄色になった状態をシトリンという。シトリンとアメシストが混ざった状態の物をアメトリンという。
  • ガンマ線と熱を当てるとプラジオライト英語版が作られ、こちらはグリーンアメジストと呼ばれる[3]

性質・特徴

硬度は7。比重は2.65。組成は SiO2二酸化ケイ素)。素焼き陶板にこすりつけると白い条痕が残る。ハンマーなどで割ると貝殻状の断口が残る。

光沢ガラス光沢で、は淡いライラック色から、濃紫色まで幅広い色合いがある。紫色の発色は、ケイ素を置換した微量のイオンが放射線を受けると電子が飛ばされ電荷移動が酸素原子と鉄イオンとの間で起こり、三価の鉄イオンが四価の鉄イオンになり、これが形成した色中心(カラーセンター)が光のスペクトルの黄色を吸収するために、その補色である紫色が通過する様になるのが原因とされる。紫外線に曝露すると退色する(直射日光の当たる窓際などに置くと色が褪せてくる)。照射する光のスペクトル組成によって、見た目の色を大きく変化させる紫水晶は、「カラーチェンジアメシスト」もしくは「カラーチェンジタイプアメシスト」と称されている。 また、加熱すると色が黄色に変化し、宝石名としてはシトリンとなる(現在出回っているシトリンはアメシストを加熱したものが殆どである)。

用途・加工法

主に装飾用に使われる。

緑色透明の水晶が「グリーンアメシスト」と称され、市場に出回っている場合があるが、これは主に紫水晶に、熱処理放射線処理を施し、変色(エンハンス)させたものである。採掘時に緑色透明であるものは、プラシオライトとも呼ばれ、アメリカ合衆国カリフォルニア州ネバダ州の境界付近や、ブラジルパラー州のマラバ、ポーランドドルヌィ・シロンスク県カナダオンタリオ州サンダーベイ地区などのごく一部の地域から産出する。緑色の発色は、三価の鉄イオンの他に相当量の二価の鉄イオンを含んでいた場合に、三価の鉄イオンによる補色の黄色の発色と、二価の鉄イオンは黄色の光を吸収し補色は青色になるため、その黄色と青色が混ざって緑色に発色するといわれている。

トピックス

2月の誕生石

旧約聖書の『出エジプト記』に、高僧の胸当てに飾られている12種類の宝石の1つとして登場するなど、歴史は古い。プリニウスの『博物誌』では、紫色の宝石の中で最高のものはインド産である。キリスト教では伝統的に、男性の宗教的献身のシンボルであった。

ギリシャ神話では、酒神バッカスが連れているに追われたアメシストという女性(月神アルテミスに仕える女)が神に祈ると純白の石に姿が変わり、哀れに思ったバッカスはその石に葡萄酒を注ぐと紫色の水晶に変わったと言われている。

脚注

  1. ^ 文部省編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年、193頁。ISBN 4-8181-8401-2 
  2. ^ (英語) Oxford Dictionary of English. Oxford University Press. (2003) 
  3. ^ Prasiolite gemstone information”. www.gemdat.org. 2018年4月19日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク