駅での自殺防止に向けた鉄道従事員による声かけ手法のモデル化と教材の開発

DOI

抄録

<p>鉄道会社では様々な自殺防止対策を行っている。われわれは国内の多くの鉄道事業者で取り組まれているお困りのお客さまに積極的に声かけを行う「声かけサポート運動」に着目し、自殺防止の手段としての声かけ手法をモデル化した支援法をもとにしたゲートキーパー養成プログラムを開発した。ゲートキーパーの声かけに関する教材としては、内閣府「ゲートキーパー養成研修用DVD、テキスト」がある。しかし、駅での声かけは初対面の自殺ハイリスク者への危機回避対応が主であり、また、他の駅業務の合間での対応が求められるといった特異性がある。これらに対応するために、内閣府の教材のほか、英国の非営利団体サマリタンズとネットワークレール社による鉄道自殺防止プログラムや、自殺ハイリスク者への対応経験がある鉄道従事員の声を参考にしながら、まず声をかけ、話を促し、共感することで、高ぶった気持ちを落ち着かせることを特に重視し、その後、安心できる機関につなぐまでを一連の流れとした支援モデルを作成した。次に、上記の流れを社員に理解してもらうための駅での対応をロールモデルとした視覚教材とそれと対応したリーフレットを開発した。試行における効果検証において、開発したプログラムを受講した駅社員の自殺防止に対する意識の高まりや積極性を促進する効果が確認された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390574047045827200
  • DOI
    10.51098/spcijasp.40.2_11
  • ISSN
    24368369
    18836046
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ