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入試を突破するには、参考書を何冊もそろえ、首っぴきで覚えると思っている人も多いだろう。ところが、今日では、学力を試さない入試による入学者が半数を占める大学も珍しくない。そこで、今回は、推薦・AO・センター試験といった多様な入試制度を紹介。把握しておくことが、合格への近道となるだろう。
推薦入試でおなじみなのが、「指定校推薦」と「公募推薦」。指定校推薦は、大学が高校に一定数の推薦枠を与えるもの。受け入れる大学や推薦する高校のレベルによって、募集人数や条件は異なる。
AO入試は、大学側が求める学生像にあてはまる受験生を受け入れようというもの。学業成績より人物を重視して合否を決定する。基本的に筆記試験はなく、一次試験で面接を行い、その人となりが見極められ、通過するとレポート提出や自己アピールのプレゼンテーションなどが課せられる。
AO入試は高校の成績を合格基準に設けないことから、一般入試では学生が集まりづらい私立大学などが実施するものと思われがちだが、多くの有名私立大学や国立大学でもAO入試を取り入れている。
AO入試は、学力本位の試験ではないぶん、ワンランクまたはツーランク上の大学を目指すこともできる。予備校では、そんなAO入試のための面接対策や自己アピール講座を開いているところもあるので、チェックしておきたい。
かつてセンター試験というと、国公立大学の一次試験というイメージが強かったが、現在は私立大学もセンター試験を利用して受験可能。国公立との併願はもちろん、一回の試験で複数の私立大学を受けられるようになった。
ほとんどの私立大学では、受験科目として、国語、英語、社会、数学、理科の5教科の中から3教科を選択。難問奇問が少ないため、取り組みやすく、個々の大学で実施する試験に臨むより有利という見方もある。
大学によっては、得意科目で点数を稼げる入試制度を用意している。3教科のうち、2教科もしくは成績の良かった2教科で合否を判定する大学や、各大学または学部が取り決めた点数配分で採点する「傾斜配点」を実施しているところもある。たとえば、国語で70点を取れば、それが割り増しされ、極端なケースでは2倍の140点として判定するという具合だ。
また、試験日が3日設けられて、受験生はその中から自由に1日を選択できる制度もある。スケジュールが過密な受験生にとって、とてもありがたいだけでなく、受験料と願書を3回分提出すれば3日すべて受験することも可能となっているため、チャンスが広がることにもなる。
入試制度が多様化する今、さまざまな大学の入試方式を吟味して、自身の強みが最も活かされる方法で受験できる大学を探すことも重要である。
模試とは模擬試験の略称であり、受験者の能力を測定するための試験です。模試ではいわゆる学力偏差値や合格の可能性を判定することができます。現在の自分の学力を数値化できるだけでなく、志望校への合格確率を知ることで学習プランの見直しにも役立ちます。
塾や予備校へ通っている方はもちろん、独学の方も模試だけは参加するという方が少なくありません。模試を制する者は大学受験を制します。模試を上手に活用して、その手に栄光を掴みましょう。
模試は塾や予備校で受けることができます。ただし、受験する場所によって精度が異なるので注意しましょう。模試は塾や予備校が独自で問題を作っているものです。全員が100点満点を取れるテストでは意味がありません。できるだけ本番に近いレベルのテストである必要があります。そのため問題作成者には相応の知識とセンスが問われるのです。
現在、最も人気があると言われているのは予備校御三家のひとつ「河合塾」の模試。年間300万人が受験する試験であり、受験者だけを見ると英検やTOEICを凌ぐ規模です。模試において受験者数は非常に重要です。サンプルが多いということはそれだけデータが正確になるということ。つまり偏差値や学校合格率の信頼性がより高くなることを意味しています。
模試を行っている企業はいくつもありますが、大切なのは模試を受けることではなく、データの正確さです。そのためにはある程度規模が大きい塾または予備校で受験することをお勧めします。
塾や予備校では優秀な生徒に対して入学金を免除したり、授業料を全額または一部返金するシステムがあります。これを「特待生制度」といいます。特待生に認定される条件は学校によって様々ですが、目安として模試が利用されています。東大や早慶などのいわゆる難関校において高い合格率を出した場合に認められることが多いようです。また予備校生でなくても高成績を残せば、特待生扱いでスカウトされることもあります。
大学受験において予備校費用は大きな割合を占めます。模試を上手に利用して支出を最小限に留めましょう。